こだまのうた

返すあてのないこのうたは
物言わぬものたちのこだま
名付けるほどもない炒め物
水差しにうつりこむ月明かり
名付けることの叶わない
もみじ葉はみな わがこどもたち

おひるねの一瞬のうちに
ふたりに白いものが交じり
長すぎた夏の終わり
ポトスはひとまわり茂り
寄り添う影はすこしぼやけて
夢より甘いものだけ残る