余白のうた

やどかりのおなかのやわらかいところ
がらくたでもぜんぶ欲しかったあの頃
降り続く雨のように絡みついた網の目を
ぴんと張ったら ほら、聞こえるよ

転がる毛糸玉が一筆書きで描いた地図
宵闇に沈んだときも太陽系の輪の中にいた
余白はせめて風通しよく
かたちなきこころをあえて
うたにしたっていいんだよ